特別清算とは

資金繰りの悪化などが原因で資金が無くなり、支払いが出来ない状況を担った場合で、会社継続が難しいとくなり、会社を解散させる場合に債務超過の疑いがある場合などに、株式会社が適正な清算を行うため、裁判所の監督下で行われる清算手続です。特別清算の大前提として、株式会社である事、すでに解散していることが必要条件になります。

 

〇特別清算のメリット
特別清算は、破産と同じで清算型の倒産処理であるが、破産ほど手続が厳格でなく、簡易、迅速に会社の清算をする事が出来るメリットがあります。
会社が破産する場合は6か月以上の期間が必要になりますが、裁判所での特別清算の手続きは全体7割以上が6ヶ月以内に終わっています(平成29年度司法統計)。

破産の場合は会社の破産申立ての申請後に裁判所が管財人を任命して、財産の管理処分権限を経営者から移管される事になります。
特別清算の場合は、裁判所の任命した管財人ではなく、会社が選任した清算人が財産の管理処分を行う事ができる事が破産よりもメリットがあります。

倒産は破産という認識を持たれますが、特別清算は会社を整理した廃業したという印象が付きますが、破産も倒産も借金の返済が困難になって倒産する事は変わらないのです。

特別清算手続を利用する場合は株式会社出る事、債権者の3分の2以上の同意が必要であり、この点が破産手続との大きな違いです。
3分の2以上から債権者の同意を得る方法は、協定型と和解型があります。
協定案決議集会は、債権の権利変更を内容とする協定案を決議するための集会で、協定型の場合にのみ開催されます。

 

【協定型】
協定型は清算会社が申し出た協定案を債権者集会における多数決を経て清算を進めるというものです。この協定は、原則としてすべての債権者に対して平等でなければなりません。

【和解型】
和解型は清算会社が各債権者と個別に和解を進めるもので、債権者ごとに弁済条件を変えることもできます。協定型のように協定案決議のための債権者集会を開催する必要はありませんが、個別に和解を得るのが難しいこともあります。

 

特別清算は破産より低額

破産を東京地方裁判所に申立てをする場合、少額管財事件の手続きで行われる場合には、申立手数料として1,000円の収入印紙・4,100円分の切手、官報広告費として14,786円、予納金として最低200,000円で合計219,886円の費用がかかります。

※少額管財事件以外は
債額5000万円未満 50万0000円

負債額5000万円から1億円未満 80万0000円

負債額1億円から5億円未満 150万0000円

負債額5億円から10億円未満 250万0000円

負債額10億円から50億円未満 400万0000円

負債額50億円から100億円未満 500万0000円

負債額100億円以上 700万0000円

 

特別清算手続費用
申立手数料 2万円
予納郵券
協定型 624円(82円分7セット,10円分5セット)
和解型 注1 532円(82円分6セット,10円分4セット)

予納金 注2
協定型 5万円
和解型 9458円。
注2 事案によっては,更に,負債総額に応じた破産予納金相当額も必要となります(例.総債権額の3分の2以上の債権者から申立同意書が提出されないときなど。)。

 

特別清算のデメリット

特別清算手続を実施する前提として株式会社を解散する必要があるところ、株式会社の解散には株主総会の特別決議、つまり総議決権の過半数の出席および出席した株主の議決権数の3分の2以上の賛成が必要です。

特別清算手続を行うには、債権者に対する弁済計画である協定案に対し、債権額の3分の2以上の同意等が必要です。
この協定案で3分の2以上の同意が得られない場合は破産を選択せざるを得ないことになります。

特別清算は、破産の場合の管財人に認められる否認権制度がないことから、清算手続内で偏頗弁済や財産減少行為の効力を否定することができないという欠点もあります。

 

手続の概要

株主総会の解散決議、清算人選任決議
株主総会決議で株式会社を解散するには、総議決権の過半数の出席と、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
代表取締役は清算人に就任しますが、株主総会決議で別の清算人を選任することもできます。
清算人は、清算株式会社の現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配を行います。
清算人が複数いる場合でも、監査役会設置会社でない限り、清算人会は必ずしも設置する必要はありません。

清算財産目録及び清算貸借対照表に対する株主総会承認決議
清算人は、就任後遅滞なく、解散時における清算株式会社の財産目録および貸借対照表を作成し、これに対する株主総会の承認を得る必要があります。

債権者に対する公告及び催告
清算人は、会社債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を、官報に公告するとともに、知れたる債権者に対しては各別に催告(通知)する必要があります。なお、債権申出の期間は2ヶ月を下回ることができません。

 

特別清算開始の申立て
債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができます。なお、清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人はこの申立てをする義務があります。

特別清算開始の命令
特別清算開始の申立てがあった場合、裁判所は、特別清算開始原因、すなわち清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること、債務超過の疑いがあることのいずれかが認められれば、特別清算開始の命令をします。

特別清算の手続の費用の予納が支払えない時、特別清算によっても清算を結了の見込がない事が明確な時、特別清算に対して債権者の一般の利益に反することが明確である時、不当な目的で特別清算開始の申立を申請した時、その他申立てが誠実に申請されたものでない時には、申立てが却下されます。

なお、特別清算開始の命令に不服があるときは、清算株式会社に限り即時抗告をすることができます。特別清算開始の申立てを却下した裁判に不服があるときは、特別清算の申立人に限り、即時抗告をすることができます。

 

第一回債権者集会
特別清算開始の命令があった場合、清算人は、清算株式会社の財産の現況についての調査をして財産目録等を作成した後、遅滞なく債権者集会を招集し、債権者集会に対し、清算株式会社の業務及び財産の状況の調査の結果並びに財産目録等の要旨を報告するとともに、清算の実行の方針及び見込みに関して意見を述べなければなりません。

ただし、債権者集会に対する報告及び意見の陳述以外の方法によりその報告すべき事項及び当該意見の内容を債権者に周知させることが適当であると認めるときは、この限りではありません。

 

協定案の作成及び提出
清算株式会社は、債権者集会に対し、協定の申出をすることができます。協定においては、協定債権者の権利(特別の先取特権、質権、抵当権、代理商の留置権、商事留置権を除く)の全部又は一部の変更に関する条項を定めなければならず、この条項においては、債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準を定めなければなりません。

 

第二回債権者集会(協定の採決)

清算株式会社は、前項で作成した協定案を可決するため、再度債権者集会を開催します。出席した議決権者の過半数かつ議決権者の議決権の総額の3分の2以上の議決権を有する者の同意が得られれば、協定は可決されます。
他方、ここで債権者の同意が得られず、破産原因が認められる場合は、破産手続に移行することになります。

 

裁判所による協定認可決定
協定が債権者集会で可決されたとき、清算株式会社は、遅滞なく、裁判所に対し、協定の認可の申立てをしなければなりません。この申立てがあった場合、裁判所は、法定の不認可事由に該当しない限り、協定の認可の決定をします。
不認可の決定がなされた場合は、債権者集会で協定が否決された場合と同様、破産原因があれば破産手続に移行することになります。

 

弁済
協定の認可の決定が確定すると、協定は法的効力を生じ、清算株式会社及びすべての協定債権者のためにその効力を有します。
清算株式会社は、この協定に従って弁済を行います。

 

特別清算終結決定
裁判所は、特別清算が結了したとき又は特別清算の必要がなくなったときは、特別清算終結の決定をします。
この決定が確定すると、職権で特別清算終結の登記がなされ、会社は消滅します。